いやはや既に八月は死んでしまっていたのですが、九月がやってきて私にこう云いました。
「おい、オマエ、この九月と遊戯せよ。なに簡単な事、ただこの九月とかくれんぼをせよ。なに簡単な事よ、この九月が隠れてオマエが鬼だ。でははりきって参ろう、そうだな、数は十でいい、十もあればこの九月、オマエに見つかる事なく見事隠れきってみせよう。でははじめっ!」
とほくそ笑んで消えた。そして十数え隣の塀を、詳しくは厠の塀を覗くといた。ものの三秒であった。
写真はそのほくそ笑んだまま見つかってしまった九月である。